棚卸差異率の許容範囲は何%?

公開: 2026年7月22日

結論

棚卸差異率は「(実在庫−帳簿在庫)÷帳簿在庫×100」で求める、帳簿数に対して何%ずれたかを表す指標です。「何%以内なら許容」という一律の正解はなく、生鮮か個装品か、単価や回転の速さによって適正な水準は大きく変わります。外部の「◯%以内が普通」を鵜呑みにするより、自店で数回計測して「いつもの水準」を掴み、そこから明らかに外れた品目を追うのが現実的です。

「棚卸で差異は出たけれど、この差はセーフなのかアウトなのか」——判断の物差しになるのが差異率です。差異の数量そのものより、帳簿に対してどのくらいの割合ずれたかで見ると、品目どうしを公平に比べられます。ここでは計算式と、許容範囲をどう考えればよいかを整理します。

棚卸差異率の計算式

差異率は次の式で求めます。

差異率(%) =(実在庫 − 帳簿在庫)÷ 帳簿在庫 × 100

たとえば帳簿在庫が100個、実在庫が97個なら、(97 − 100)÷ 100 × 100 = −3%。3%分の不足という意味です。符号は、マイナスが「不足(実際が少ない)」、プラスが「過剰(実際が多い)」を表します。現場では符号を外した大きさ(絶対値)で「何%ずれたか」を見ることも多く、原因を追うときは符号の向きも手がかりになります。

なぜ割合で見るのかというと、同じ「3個ちがい」でも重みが違うからです。帳簿100個に対する3個の差(3%)と、帳簿10個に対する3個の差(30%)では、後者のほうがはるかに要注意です。数量差だけを並べると見落とすこの違いを、差異率はひと目で示してくれます。

「何%まで許容」に決まった答えはない

いちばん知りたいのは「差異率は何%までなら許容範囲か」でしょう。しかしこれは、業種・商材・単価帯によって大きく異なり、一律の正解はありません。差異率が大きくなりやすいかどうかは、扱う商材の性質にかなり左右されます。

商材の性質差異率への出やすさ(傾向)
生鮮・ロスが避けにくい目減り・廃棄が日常的に出るため、差異率は大きくなりやすい
小型・多数・高回転数え漏れや入数の取り違えが起きやすく、率が振れやすい
高単価・個装・低回転1個の差の影響は大きいが、数量の差自体は出にくい
バラ売り・量り売り計量誤差が乗るため、少量の差が率に反映されやすい

一般には、差異率は小さいほど在庫管理が行き届いているサインで、数%以内を一つの目安に置く現場もあります。ただしこれはあくまで大まかな感覚で、上の表のように商材次第で「普通の水準」はまったく違います。外部で見かける数字をそのまま自店の合否ラインにすると、実態と噛み合わない基準で判断を誤りかねません。

自店の「いつもの水準」を基準にする

現実的なのは、まず自店で棚卸を何回か回し、品目や棚ごとの差異率を記録して、自分の店の「いつもの水準」を掴むことです。そのうえで「この率を超えたら必ず原因を確認する」という閾値(いきち)を一本決め、超えた品目を目立つ形で洗い出す運用にすると、毎回のチェックが仕組みとして回り始めます。数値の絶対基準を外から借りるのではなく、自店の履歴を基準にする——これが差異率とのいちばん健全な付き合い方です。

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棚卸集計・差異チェックは、品目ごとに帳簿数・実棚数・単価を入力すると、差異数・差異金額・差異率(差異数÷帳簿数×100)を自動で計算し、差異率が設定した閾値(既定5%)を超える品目を色分けして表示します。帳簿数0で実棚がある品目は要確認として扱い、実棚を空にした品目は「未計上」として合計から除いて警告。CSVの取込・出力や棚卸報告書の印刷にも対応し、入力データはお使いの端末内だけで処理されます。

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閾値を決めて色分けしておけば、追うべき品目が一目で分かり、手集計の「検算」としても使えます。なお、この記事は差異率というものさしの話です。差異が出たときにまず何をするかは「棚卸で差異が出たらどうする?」、差がプラス・マイナスどちらに出たかで原因を切り分ける方法は「棚卸差異はプラスとマイナスで原因が違う」、棚卸の段取りそのものは「棚卸のやり方と差異が出たときの対処」で詳しく扱っています。