安全在庫はどれくらい持つべき?

公開: 2026年7月22日

結論

安全在庫とは、需要の変動や入荷の遅れがあっても在庫を切らさないよう、通常の使用量とは別に持っておく予備の在庫です。目安は「入荷までの期間(リードタイム)に想定される需要のブレを吸収できる量」で、簡便には“リードタイム分の使用量の何割か”や“過去の最大使用量と平均の差”から見積もります。多く持つほど欠品は減りますが、在庫コストや廃棄が増えるため、品目の重要度に応じて量を変えるのが現実的です。

安全在庫は、発注点を決めるときにも登場する考え方です。「どれくらい持てばいいか」に唯一の正解はなく、欠品をどこまで許すか(サービスレベル)とのバランスで決まります。ここでは、簡便な見積もり方から統計的な考え方まで、無理のない順で整理します。

安全在庫とは何か(役割)

通常、在庫は「使う分だけ補充する」のが理想ですが、現実には2つの不確実さがあります。ひとつは需要のブレ(思ったより売れる・使う日がある)、もうひとつは入荷の遅れ(仕入先の都合でリードタイムが延びる)です。この2つに備えて、平常時の必要量とは別に持っておくクッションが安全在庫です。あくまで“いざというときの予備”なので、通常はここに手をつけず、発注点まで在庫が減ったら補充する運用と組み合わせて使います。

安全在庫の決め方

決め方は、手軽な簡便法から始めて、必要に応じて精度を上げるのがおすすめです。

簡便法(まずはここから)
「リードタイム中に使う量の◯割」を予備として持つ、あるいは「過去の最大使用量 − 平均使用量」を目安にする方法です。厳密ではありませんが、感覚に頼るより一貫した基準になります。
統計的な方法(精度を上げたいとき)
需要のばらつきをもとに、安全在庫 = 安全係数 × 需要の標準偏差 × √リードタイムで求める考え方があります。安全係数は「どれくらい欠品を許さないか」で決まる数値です。

安全係数の目安は次のとおりです。欠品を許さない度合い(サービスレベル)を高くするほど、必要な安全在庫は増えます。

欠品を許さない度合い(目安)安全係数(おおよそ)
約90%約1.3
約95%約1.6
約99%約2.3

数値はあくまで一般的な目安です。実際には需要データのばらつきや業種によって適切な水準は変わるため、最初は簡便法で運用し、欠品や過剰の様子を見ながら調整していくのが現実的です。

持ちすぎ・持たなすぎの弊害

安全在庫は「多ければ安心」ではありません。持ちすぎと持たなすぎには、それぞれ別のコストがあります。

だからこそ、すべての品目に同じ量を持つのではなく、売上や重要度の高い品目は手厚く、そうでない品目は薄く——というように、品目ごとにメリハリをつけるのが実務のコツです(重要度で分けるABC分析などが使われます)。

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安全在庫の日数や割合を変えながら、発注点や要発注リストがどう動くかを試せると、自店に合う水準を見つけやすくなります。まずは主力品目からあたりをつけてみてください。