釣り銭の準備金はいくら用意すればいい?
釣り銭の準備金は、「いくら」という合計額よりも、営業中に釣り銭が切れないだけの金種(千円札・500円・100円・10円など)の枚数を、次の両替・補充まで保てるかで決めます。適正額は業種・客単価・現金決済の比率で変わるため一律の正解はなく、現金の動きが少ない店なら数万円程度で足りることも、現金客が多い店ではそれ以上を用意することもあります。合計額を決め打ちする前に、必要な金種の枚数を積み上げる逆算で構成を組むのが実務的です。
「開店前のレジにいくら入れておけばいい?」——釣り銭準備金(レジ金・つり銭準備金)は、少なすぎると営業中に釣り銭が切れてお客様を待たせ、多すぎると現金管理の手間と紛失リスクが増えます。ネットで「◯万円」という数字を見かけますが、必要額はお店ごとに違います。ここでは、自店に合った金額を逆算する考え方を整理します。
準備金は「合計額」より「金種の構成」で決まる
釣り銭切れは、合計額が足りないというより、特定の金種が尽きて起こります。よくあるのが、1万円札での支払いに対する千円札の不足と、端数のやり取りで起こる100円・10円硬貨の不足です。合計で3万円入っていても、その中身が高額紙幣ばかりでは釣り銭は作れません。だから準備金は「いくら」だけでなく「どの金種を何枚」で考えるのが出発点になります。
自店の適正額を逆算する4つの視点
金額を決め打ちせず、次の4点から必要な金種と枚数を見積もります。
| 視点 | 見るポイント |
|---|---|
| 現金決済の比率 | キャッシュレスが多いほど準備金は少なくて済む。現金客が中心なら厚めに |
| 1日の現金客数 | 客数が多いほど釣り銭のやり取りが増え、金種が早く減る |
| 客単価と支払い方法 | 高額紙幣で払われやすい店は千円札を、少額決済が多い店は小銭を厚めに |
| 両替・補充の頻度 | 1日1回両替に行けるなら1日分、行けない日があるなら余裕を持たせる |
これらを踏まえ、「営業中に最も減りやすい金種(多くは千円札と100円・10円硬貨)が、次の補充まで切れない枚数」を先に決めます。合計額から金種を割り振るのではなく、必要な枚数を積み上げた結果が合計額、という順番で考えると過不足のない構成になります。
金種構成の一例と、運用のコツ
たとえば小規模な店舗で下のように組むと、合計は一例として37,200円になります。実際は上の4つの視点で自店向けに増減させてください。
| 金種 | 枚数(一例) | 金額 |
|---|---|---|
| 千円札 | 20枚 | 20,000円 |
| 500円玉 | 20枚 | 10,000円 |
| 100円玉 | 50枚 | 5,000円 |
| 50円玉 | 20枚 | 1,000円 |
| 10円玉 | 100枚 | 1,000円 |
| 5円玉 | 20枚 | 100円 |
| 1円玉 | 100枚 | 100円 |
| 合計 | — | 37,200円 |
運用では、次の3つを押さえると準備金が安定します。
- 締めで準備金を元の構成に戻す — 翌日また同じ状態で開店できるよう、売上金を回収したあと準備金を規定の金種・枚数にリセットします。
- 過不足は「準備金を差し引いた実査額」で判定する — レジ内の現金合計から準備金を引き、レジ記録売上と比べます。差引を忘れると準備金の分だけ「過剰」に見えてしまいます。
- 混みそうな日は先に両替しておく — 週末や給料日後など高額紙幣・現金客が増える日は、千円札や小銭を事前に多めに用意しておくと釣り銭切れを防げます。
金種ごとの枚数を入れるだけで、現金合計と過不足を自動計算。無料・登録不要。
金種計算・レジ締めツールは、金種表に紙幣・硬貨の枚数を入力するとレジの現金合計を自動で計算し、釣銭準備金とレジ記録売上から過不足(過剰・不足)を判定します。準備金の金種構成をこのツールで組んでおけば、毎日の締めで同じ構成に戻せているかの確認もかんたんです。CSV出力・印刷にも対応し、入力データはお使いの端末内だけで処理されます。
本記事の金額・枚数は考え方を示す一例で、適正額は業種・立地・客層・キャッシュレス比率などにより異なります。自店の実績(現金客数・不足しやすい金種)を見ながら調整してください。現金管理や会計処理の個別の取り扱いに迷う場合は、公式情報や税理士などの専門家にご確認ください。