釣り銭の内訳、何をいくつ用意する?金種バランスと補充の段取り
釣り銭の内訳は、合計額を先に決めるのではなく「金種ごとに何枚」で組みます。主力は千円札と100円玉・10円玉で、この3つが釣り銭の大半を作ります。500円玉はその次、50円玉・5円玉・1円玉は端数用に少なめ、五千円札は数枚あれば足り、一万円札と二千円札は基本的に入れません。開店時の枚数を金種ごとに固定し、営業中は「この枚数を切ったら補充」という下限を決めて両替・補充し、締めで元の構成に戻すのが基本の段取りです。
合計額の目安は 釣り銭の準備金はいくら用意すればいい? にまとめたので、ここでは一歩先の金種ごとの役割と枚数のバランス、営業中に切らさない補充の段取りに絞って整理します。
金種ごとの役割 — 釣り銭を作る金種と、入れない金種
2026年8月時点で発行されている通貨は、紙幣が一万円・五千円・二千円・千円の4種(日本銀行「現在発行されている銀行券・貨幣」)、硬貨が500円・100円・50円・10円・5円・1円の6種(通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律 第5条第1項)です。この10金種を、釣りとして渡す出番で分けます。
| 金種 | 釣り銭での役割 | 用意の考え方 |
|---|---|---|
| 一万円札・二千円札 | 釣りとして渡す場面がほぼない | 入れない(二千円札が流通する沖縄県などは例外)。受け取った分は売上金として別に置く |
| 五千円札 | 1万円札で5,000円未満の会計を受けたとき | 数枚。千円札5枚で代用するなら0枚でも回る |
| 千円札 | 高額紙幣払いの釣りを作る主役 | 最も多く。減りが速いので厚めに |
| 500円玉 | 千円未満の釣りの中核 | 中程度。支払いで入る分と相殺されやすい |
| 100円玉・10円玉 | ほぼ毎会計で動く端数の主役 | 枚数ベースで多め。切れると会計が止まる |
| 50円玉・5円玉 | 端数の橋渡し | 少なめ。ただしゼロにはしない |
| 1円玉 | 1円単位の税込端数に必要 | 1円単位の価格がある店は多め、ない店は少なめ |
金種バランスの目安 — 「減る速さ」で枚数を決める
枚数は均等ではなく、営業中にどれだけ速く減るかで決めます。
- 千円札は一方通行で減る — 1万円札払いを1回受けるたびに数枚が出ていくため、高額紙幣で払う客が多い店ほど消耗が速い金種です。
- 500円玉は行き来がある — 釣りで出る一方、支払いにも使われやすく、極端に多くなくても保ちやすい金種です。
- 100円・10円は枚数勝負 — 1回の釣りで複数枚まとめて出るので、「3,000円ぶん」ではなく「30枚」と枚数で捉えます。
- 1円・5円は価格設定しだい — 税込価格が10円単位でそろう店ではほぼ動かず、1円単位の端数が多い店では10円玉並みに気を配ります。
硬貨は金額こそ小さくても枚数が要るため、点検は「金額で足りているか」ではなく「枚数で足りているか」で行うのが、金種バランスを崩さないコツです。初期構成を決めたら、1〜2週間は締めのときに「どの金種が一番減ったか」を記録し、減りの速い金種だけを増やす微調整で落ち着かせます。
補充の段取り — 開店前・営業中・締めの3タイミング
切らさないコツは、「いつ・何をきっかけに補充するか」を先に決めておくことです。
| タイミング | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 開店前 | 決めた金種・枚数どおりにセットし、合計額を確認 | 毎日同じ構成にすると締めの計算が楽 |
| 営業中 | 金種ごとの「下限枚数」を切ったら、両替用現金や別レジから補充 | 補充・両替した金額はその都度メモに残す |
| 締め | 売上金を回収し、翌日分の構成に戻す | 足りない金種がここで分かるので、翌朝までに両替を段取り |
下限枚数は在庫でいう発注点のようなもので、「千円札があと10枚になったら補充」「100円玉が20枚を切ったら両替」のように金種ごとに決めておきます。補充や両替の記録が漏れると、締めで過不足として現れます(詳しくは レジの過不足が出たときの対処は?)。逆に500円玉などが溜まってきたら、まとめて回収して次の両替の元手に回すと偏りをならせます。なお、硬貨の受け取りには法律上の目安があり、同じ金種は1回の支払いにつき20枚までが法貨として通用する範囲です(通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律 第7条)。20枚を超える分は、店側が同意すれば受け取っても差し支えありません。
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本記事の金種の役割・枚数は、2026年8月時点で一般的とされる店舗運用の目安をまとめた一例です。適切な内訳は業種・客層・価格帯・現金決済の比率で変わるため、自店の減り方を記録しながら調整してください。硬貨払いの受け取り方や現金管理の扱いで迷うときは、公式情報の確認や税理士など専門家への相談をおすすめします。