トーナメントのシードとは?決め方と配置ルール|第1・第2シードの位置、3・4シードの置き方

公開: 2026年8月19日

球技大会や社内レク、地域の大会でトーナメント表を任されると、「シードはどう決める?」「第1シードはどこに書く?」で手が止まりがちです。強いチームをなんとなく上のほうに書くと、準決勝を待たずに優勝候補どうしがぶつかったり、片方の山だけ楽になったりして、あとから不公平だと言われかねません。

この記事では、シードの意味、何チームをシードにするか、順位を何で決めるか、そして第1シードは最上段・第2シードは最下段、3・4シードは残った2つの山へという配置ルールを、8枠・16枠の並び順表と図で整理します。参考にしたのは、テニス協会のドロー(組み合わせ表)作成要領と競技団体の大会要項です(2026年8月時点で確認)。奇数チームの不戦勝(バイ)の数え方は別記事「奇数チームのトーナメント表の作り方」を参照してください。

シードとは何か|強い者どうしを早い回戦で当てないための「席順」

シード(seed)は、実力上位と見なされる選手・チームに、トーナメント表の中の決まった席をあらかじめ与える仕組みです。「種をまく」の語のとおり有力者を表の中に散らして植えておくもので、目的は優勝候補どうしが早い回戦で消耗し合うのを避け、勝ち上がるほど強い相手と当たる形にすることです。

混同しやすいのが「シード=不戦勝」という理解です。参加数が2のべき乗(4・8・16…)にそろわないと1回戦を戦わずに進む席(バイ)が生まれ、慣例としてその席は上位シードに回りますが、それは席数調整の副産物で、シードの本質は「表の中の位置」です。8チームで表がぴったり埋まる大会にもシードはあります。テニスなどでは表全体を「ドロー」、各行を「ライン」と呼びます。

シードは何チームにするか|「枠の4分の1」が一般的な目安

全チームをシードにすれば実力順に並べただけになり、抽選の要素が消えます。逆に第1シードしか決めないと、2番手と3番手が同じ山に入るかは運任せです。競技団体の要領で広く使われる基準はシードの数=ドロー数(枠数)の4分の1で、長野県テニス協会「ドロー作成の手順」では出場数ごとに次のように定めています。

出場数ドロー数(枠)シード数意味
4以下41第1シードだけを固定
5〜882上下の山に1つずつ
9〜161644つの山(4分の1)に1つずつ
17〜323288ブロックに1つずつ
33〜64641616ブロックに1つずつ

4分の1に意味があるのは、シードの数と表を割った区画の数が一致するからです。16枠を4区画に割ればシードは4つ、32枠を8区画に割れば8つ。各区画にシードが1つずつ収まる数が4分の1で、シードどうしは区画を勝ち抜かない限り当たりません。社内レクなら8チームで2シード、16チームで4シードが目安です。

シード順の決め方|ランキング・前回成績・予選、根拠がなければ抽選

誰を第1シードにするかは、大会前に公表できる客観的な根拠で決めます。よく使われる順に挙げます。

  1. 公式ランキング — 競技団体のポイントランキングをドロー作成時点の最新版で使う。テニス協会の要領はこの方式で、同順位は抽選。バドミントンの全日本総合選手権の要項にも、本選のシード位置は直近の日本ランキング順位で決めるとあります。
  2. 前回・直近大会の成績 — ランキングがない大会で最も多い決め方。前回優勝・準優勝を第1・第2シードにする、前年度のリーグ順位を使う、など。
  3. 予選や事前リーグの結果 — 当日に予選リーグを組み、その順位で決勝トーナメントのシードを決める。納得を得やすい方式です。

根拠がまったくない親善大会では、シードを設けず全員を抽選で配置するか、シード席に入るチームをくじで決めます。主催者の主観でシードを付けるのは避けたほうが無難です。決めたシード順はチーム名の脇に丸数字(①②…)で書き添えるなど、誰がシードかを表の上で明らかにしておくのが要領でも求められる作法です。

配置ルール|第1シードは最上段、第2シードは最下段、3・4シードは残りの山へ

競技団体の要領に共通する原則は3つあります。

原則1: 上位2シードは上下の山に分ける

第1シードはドローの最上段(ライン1)、第2シードは最下段(16ドローならライン16、32ドローならライン32)に置きます。上下の山に分かれるので、両者が当たるのは決勝だけです。この2席は抽選をせず固定で決めるのが通例です。

原則2: 3・4シードは、上下の山をさらに半分にした「残りの2区画」の端へ

16枠を4つの区画に切ると、第1シードは1つ目、第2シードは4つ目の区画にいます。第3・第4シードは残る2つ目・3つ目の区画に1つずつ入り、区画の中のどの席に入るかは要領で決められています(16ドローなら2つ目の区画の先頭=ライン5、3つ目の区画の末尾=ライン12)。テニスの要領では、この2席のどちらに第3シードが入るかを抽選で決め、第5〜第8シードも4つを1組にして抽選し、決められた4席へ引いた順に入れます。一般の球技大会では抽選を挟まず固定の並びを使うことが多いですが、「区画ごとに散らす」考え方は同じです。

原則3: 「同じ試合で当たる2席のシード番号を足すと、枠数+1になる」

固定の並びを自分で作るときの覚え方です。8枠なら1回戦は 1対8・4対5・2対7・3対6 で、どの組も和は9(=8+1)。次の回戦も、勝ち上がる側の上位シード番号の和が「その回戦に残る枠数+1」になるように組みます(8枠の準決勝は1対4と2対3で和は5)。この規則で作った上から順の並びが次の表です。

枠数上から順のシード番号1回戦の組
41・4・2・31対4、2対3
81・8・4・5・2・7・3・61対8、4対5、2対7、3対6
161・16・8・9・4・13・5・12・2・15・7・10・3・14・6・111対16、8対9、4対13、5対12、2対15、7対10、3対14、6対11

この表は「各山の先頭にその山の最上位シードを書く」流儀で、第2シードは下の山の先頭(8枠なら上から5行目)に来ます。テニス式のドローは下の山を上下逆向きに書くため第2シードが最下段になりますが、山の中の順序を反転しただけで、誰と誰がどの回戦で当たりうるかという構造は同じです。見慣れた形に合わせて下の山だけ反転させてもかまいません。参加数が枠数に満たないときは番号の大きいシード席から空席(不戦勝)にします。6チームを8枠に入れるなら第8シードと第7シードの席が空き、その相手の第1・第2シードが不戦勝になって上下の山に1つずつ散ります。

8枠のシード配置図(1・8・4・5|2・7・3・6)
1回戦

— 上の山 —

L1第1シード
L2第8シード
L3第4シード
L4第5シード

— 下の山 —

L5第2シード
L6第7シード
L7第3シード
L8第6シード
準決勝
1対8の勝者
4対5の勝者
2対7の勝者
3対6の勝者
決勝
上の山の勝者
下の山の勝者

L=上からの行番号。第1シードは最上段、第2シードは下の山の先頭、第3・第4シードは互いに反対側の区画へ。テニス式では第3・第4のどちらがどの席かを抽選で決めます。

不戦勝・欠場・同チーム対戦の扱い|要領で決まっている運用ルール

当日のトラブルを防ぐ運用ルールも要領に書かれています。社内・地域の大会でも流用できるものを挙げます。

チーム名をシード順に入れるだけで、上位シードを散らしたトーナメント図を自動作成。空席(不戦勝)も上位シードへ自動で割り当て。
会員登録なし・無料で使える対戦表ツールでは、方式で「トーナメント」を選びチーム欄に上から入力すると、その入力順がシード順として扱われ、枠数・不戦勝の数・試合数を表示したうえで、上の表と同じ並び順のトーナメント図を描きます。チーム数が2のべき乗でないときは、上位シードが1回戦で不戦勝になる旨の注意が出ます。コート数・1試合の分数・間隔・開始時刻を入れると各試合に時刻とコートが付き、「3位決定戦」は準決勝が2試合とも実際に行われるときだけ作られ、決勝と同じ時間枠(コートが足りなければ次の枠)に入ります。CSV出力・印刷対応、入力データは端末内だけで処理されます。

対戦表ツールでトーナメント図を作る →

シード順の決定(前回成績やくじ)だけは手元で済ませ、決まった順にチーム名を入力してください。総当たり(リーグ戦)に切り替えれば同じチーム名で予選リーグの表も作れます。

まとめ

シードとは、実力上位のチームを表の中に散らして植えておく席順の仕組みで、不戦勝そのものではありません。数は枠数の4分の1が目安、順位は事前に示せる根拠(ランキング・前回成績・予選結果)で決め、根拠がなければ抽選。置き方は第1シードを最上段に、第2シードを反対の山(テニス式では最下段)に固定し、3・4シードは残る2区画の端へ。固定の並びなら「同じ試合の2席の番号の和=枠数+1」で、8枠は 1・8・4・5・2・7・3・6 です。空席は番号の大きい席から、残りはくじで埋め、総試合数=チーム数−1で検算します。この手順なら、あとから不公平だと言われにくい表になります。

※本記事は、2026年8月時点で公開されている都道府県・市区町村テニス協会のドロー作成要領(日本テニス協会の公式トーナメント競技規則に準じたもの)と、競技団体の大会要項に見られる一般的な考え方を整理したものです。シードの数や配置、抽選の有無は競技・大会ごとの規程で異なります。公式戦の運営では、所属する競技団体の最新の競技規則・大会要項をご確認ください。