奇数チームのトーナメント表の作り方|5・7・9チームの組み方とバイ(不戦勝)の置き方
社内イベントや部活動、地域の大会でトーナメント(勝ち抜き戦)を組もうとすると、多くの人がつまずくのが「参加チームがきれいな数にならない」場面です。4チームや8チームならすんなり左右対称の表が引けるのに、5チームや7チーム、9チームだと、どこかに空きができてしまって手が止まる——そんな経験はないでしょうか。検索でも「7チーム トーナメント表」のように、中途半端な数の組み方を探している人がたくさんいます。
結論から言えば、答えは「バイ(不戦勝)」を正しい数だけ、正しい場所に置くことです。この記事では、なぜバイが必要になるのかという理屈から、その数を求める「2のべき乗 − チーム数」という単純な計算、そしてバイやシードをどこに置けば公平になるかを、5・7・9チームの実例図とあわせて整理します。数式は一つだけ、あとは並べ方のコツなので、読み終えれば任意のチーム数で表を引けるようになります。
なぜトーナメントに「バイ(不戦勝)」が必要になるのか
トーナメントは、勝ったチームだけが次の回戦に進み、負けたチームは姿を消していく方式です。1回戦で半分に、2回戦でさらに半分に……と、進むごとにチーム数がちょうど半分ずつ減っていくのが理想です。この「半分ずつ」がきれいに最後の1チームまで続くのは、参加数が 2・4・8・16……=2のべき乗 のときだけです。
ところが実際の参加数は、5や7や9のように2のべき乗ちょうどになるとは限りません。このとき、枠(トーナメント表のスロット)を参加数以上でいちばん近い2のべき乗まで用意し、余った枠を空席にします。空席と当たったチームは、対戦相手がいないので試合をせずに次へ進みます。この「対戦せずに勝ち上がること」を バイ(bye)、日本語では 不戦勝 と呼びます。つまりバイは、参加数を無理やり2のべき乗にそろえるための「調整席」だと考えると分かりやすいでしょう。
バイの数の求め方|「2のべき乗 − チーム数」
必要なバイの数は、たった一つの引き算で決まります。
バイの数 = 2ⁿ − チーム数
(2ⁿ = チーム数以上でいちばん小さい2のべき乗)
手順にすると次の3ステップです。①チーム数以上でいちばん小さい2のべき乗を探して「枠」とする。②「枠 − チーム数」でバイの数を出す。③残りのチームで1回戦を組む。たとえば7チームなら、7以上で最小の2のべき乗は8なので枠は8、バイは 8 − 7 = 1 です。9チームなら、9以上で最小は16なので枠は16、バイは 16 − 9 = 7 と、一気に増えます。参加数が2のべき乗をわずかに超えたときほどバイが多くなる、という点は覚えておくと見通しが立てやすくなります。
| チーム数 | 枠(2のべき乗) | バイ(不戦勝) | 1回戦の試合数 | 総試合数 |
|---|---|---|---|---|
| 5 | 8(=2³) | 3 | 1 | 4 |
| 6 | 8 | 2 | 2 | 5 |
| 7 | 8 | 1 | 3 | 6 |
| 8 | 8 | 0 | 4 | 7 |
| 9 | 16(=2⁴) | 7 | 1 | 8 |
1回戦の試合数は「チーム数 − 枠÷2」で求まります(枠の半分がバイ以外の対戦枠にあたるため)。もう一つ、検算に便利なのが総試合数です。トーナメントでは1試合ごとに必ず1チームが敗れて表から外れ、最後に優勝チーム1つが残ります。したがって総試合数はチーム数によらず「チーム数 − 1」で固定です。バイは試合ではないのでこの数には含めません。表を引き終えたら「試合の数がチーム数マイナス1になっているか」を確かめると、置き間違いに気づけます。
バイとシードの置き方|散らして、上位に
数が決まったら、次は「どこに置くか」です。バイをどのチームに与え、表のどこに配置するかで、大会の公平さが変わります。ポイントは2つです。
1. バイは上位のシードに与える
シードとは、実力上位のチームに有利な位置をあらかじめ割り当てておく仕組みです。強いチーム同士が早い回戦で当たって共倒れするのを避け、組み合わせのバランスを取る狙いがあります。バイは1試合ぶん体力・日程が楽になるため、慣例として上位のシードから順に与えるのが一般的です。前年の成績や公式ランキングなど、順位づけの根拠がある場合はそれを使います。順位づけの根拠がない親善大会などでは、公平性を保つために抽選(くじ引き)でシードやバイの位置を決めます。
2. バイは表の山に散らして置く
やってはいけないのが、バイを表の片側(片方の山)に固めてしまうことです。片側だけ試合数が少なくなり、その山のチームばかりが楽に勝ち上がってしまいます。バイは上下の山にできるだけ均等に散らして置くのが鉄則です。定番の並べ方として、8枠なら上から 1・8・5・4|3・6・7・2 のシード順に並べます。第1シードと第2シードは表の両端(別々の山)に置き、決勝まで当たらないようにするのが基本です。チーム数がこの枠に満たないときは、番号の大きいシード席(8・7・6……)から空席になり、その相手である上位シード(1・2・3……)が自然とバイになります。この定番の並びに沿って空席を作れば、バイは自動的に上位へ、かつ上下の山に散った状態になります。
実例図で見る 5・7・9チームの組み方
ここまでの考え方を、実際のトーナメント図で確認します。チームは実力順に A(第1シード)〜 と並べ、点線・オレンジ地のマスがバイ(不戦勝)です。横に長い図はスクロールできます。
上位3チーム(A・B・C)がバイ。実際に1回戦を戦うのは第4・第5シードの D対E だけです。
バイは第1シードの A だけ。残り6チームは3試合で1回戦を戦います。7チームは、ほぼ8チームの表そのままに1席だけ空けた形です。
枠が16に跳ね上がるためバイは7つ。上位7チーム(A〜G)は不戦勝で準々決勝から登場し、第8・第9シードの H対I だけが1回戦を戦います。実質は「1試合で9→8チームに絞ってから、通常の8チームトーナメント」です。
3つの図に共通するのは、バイが上位シードに割り当てられ、上下の山に散らばっている点です。この形になっていれば、強いチーム同士が1回戦で当たったり、片側の山だけが極端に楽になったりせずに済みます。チーム数が変わっても、やることは「枠を2のべき乗にそろえる → バイの数を引き算で出す → 定番の並びに沿って空席を作る」の繰り返しです。
チーム名を入れるだけで、バイ(不戦勝)の数と配置を自動計算。奇数チームのトーナメント表もワンクリック。
リーグ戦・トーナメント対戦表ツールは会員登録不要・完全無料。チーム名を入力すると、枠の大きさ(2のべき乗)とバイの数を自動で計算し、シードを散らしたトーナメント図を作成します。リーグ戦(総当たり)の組み合わせや、コート数・試合時間からの開始時刻の割り付け、3位決定戦、CSV保存・印刷にも対応。入力データはお使いの端末内だけで処理され、サーバーには送信されません。
手書きで表を引くと、バイの数を間違えたり、空席を片側に寄せてしまったりしがちです。ツールなら奇数チームでも枠とバイを自動で整えてくれるので、まず全体の形をツールで作り、細かな組み合わせだけ手元で調整する、という使い方も便利です。作成した対戦表はCSVや印刷で持ち出せます。
まとめ
奇数チームのトーナメントでつまずくのは、表を左右対称に埋めようとするからです。発想を変えて「参加数以上で最小の2のべき乗の枠を用意し、余りをバイ(不戦勝)で埋める」と考えれば、どんな数でも表は引けます。必要なバイの数は「2のべき乗 − チーム数」の一つの引き算だけ。5チームなら3、7チームなら1、9チームなら7です。
置き方のコツは、バイを上位シードに与えること、そして上下の山に散らすこと。順位づけの根拠がなければ抽選で決めます。最後に「総試合数がチーム数 − 1になっているか」で検算すれば、置き間違いも防げます。まずは手元の参加数でバイの数を計算し、定番のシード順に沿って空席を作るところから始めてみてください。